2月に延期した平成28年4~12月期連結決算の開示を再び1カ月延期した東芝。14日午後4時、東京・浜松町の本社39階で開かれた記者会見は予定通り始まったが、再建策に目新しさはなく、集まった報道陣やアナリスト約400人からはため息が漏れた。
この日の会見には、綱川智社長のほか佐藤良二監査委員会委員長、平田政善代表執行役専務、畠沢守執行役常務の4人が出席。冒頭、綱川社長は「株主、投資家をはじめとするステークホルダーのみなさまに多大なご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げる」と陳謝し、平成28年4~12月期連結決算の発表を4月11日に延期すると表明した。
東芝は米原子力子会社ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)の原発事業で生じた損失額を確定させる過程で、特定の経営幹部が損失を小さく見せようと不適切な圧力をかけたと認定。その経営幹部に対し、WH社への関与を控えるように改善措置を講じ、調査完了後に、処分を決定するとした。
東芝再生に向け、(1)海外原子力事業のリスク遮断-(2)財務基盤の早期回復-(3)東芝グループの組織運営の強化を軸にするとした。“新生東芝”の目標として、平成31年度の売上高4兆円超、経常利益2100億円を掲げた。綱川社長は「半導体事業の売却で1兆円規模の事業はなくなるが、2000億、3000億円の事業で着実にやっていく」と述べた。