エイコー本社1階に設置された、新人社員の自己紹介を流すディスプレー=大阪市中央区【拡大】
同社の新人社員は、入社してほぼ1カ月間は外部の施設で社外研修を受ける。
本社にはほとんどおらず、先輩社員とのコミュニケーションが不十分だった。
しかし、自己紹介動画の効果は大きく、配属される頃には顔や性格が広く社内外に知られるようになる。
2年前に入社した男性社員は「上司や先輩が自分のことを覚えてくれていたので、スムーズに職場に溶け込めた」と打ち明ける。
試練は、撮影?!
しかし、撮影は、新入社員の最初の“関門”でもある。入社式のわずか数時間後、他の同期が見守る中、独自色のある自己紹介文をカメラに向かってスピーチしなければならないからだ。撮り直しはほとんどなく、自分の印象を、この1分間の動画に詰め込まなければならないのだ。
「手が汗でぐっしょりとなるほど緊張し、笑っているつもりでしたが、顔はこわばっていました」。撮影を体験した営業部門の男性はこう振り返る。
エイコーが、新入社員にこんな“試練”を課すのには、ちゃんと理由がある。