これらの商品を全てデジタルデータ管理しているわけではない。手書きとの併用だ。それが「商品知識が身につく」コツだ。お客さんの要望を聞いてピンとくるには、商品と実際に触れる絶対的な時間量が要求される。
実は前述した「どうして人生経験の乏しい30代以下で良いモノを見極めることができるのか?」という言葉は、店員に対してだけでなくお客さんのことも指している。
この店では「お客様のいうことは全て正しい」という考え方をしない。お客さんはもちろん大事だが、お客さん、作る人、売る人、これらの全ての関係が良好でそれぞれがハッピーであることを目指す。
そのため、「壊れたら新しいモノを買ったほうがいいですよ」とは言わない。修理をして使えるようにし、それを何度も繰り返し、そのモノが次世代に継がれることが彼らの希望である。
「ブランドで売るということはしない。我々はモノを売るのです。それを気に入ってもらい、それが当店の商品だと後で分かればいいのです。ですから、商品のなかで我々のブランド名はできるだけ小さく隠れるようにしています」と言う。
ここで考えるべきことがある。
リーマンショック以降、北米や欧州という先進国の凋落が語られ、アジアの新興国市場が注目される。平均年齢が若いがゆえに成長市場とみられる。そして、「ブランドさえあれば何とかなる」と思う人たちも増えている。
並行してデジタルネイティブが新しい世界を作る時代でもある。デジタルゆえのスピード感溢れる新しい感覚や考え方の担い手として若手の活躍が期待されている。何よりも若い世代はエネルギッシュで前進力が強いのは時代を問わない。