東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県上閉伊郡大槌町で、携帯電話を操作する女性。震災直後は携帯の通話もメールもほとんどつながらなった=2011(平成23)年3月21日(産経新聞、大西史朗撮影)【拡大】
【Campus新聞】
発生から3年がたった東日本大震災は、私たちに多くの教訓を残した。災害時のITの活用もその一つ。震災後もITは進化を続け、なかでもSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が急速に普及した。3年前のあの時、「デジタルネーティブ」と呼ばれる若い人たちは、SNSをどう活用したのか。神田外語大学の学生記者たちが、震災に遭遇した同世代の学生を取材し、災害時のSNSの新たな可能性を探った。
□今週のリポーター 神田外語大 有志学生記者
2011年3月11午後2時46分。当時、福島県内の高校を卒業したばかりだった後藤優花さん(21)は、卒業を友人たちと祝うため、福島市内に向かっていた。携帯のアラームが鳴ったと同時に地面が揺れ始め、徐々に立っていられなくなった。周囲を見渡すと、民家が暴れるように揺れ、瓦が崩れ落ちていた。店のガラスは割れ、道路には無数の亀裂が入り、遠くでは黒い煙が立ち上っていた。