返還後の併合懸念
この現実を、われわれ日本も真摯(しんし)に受け止め、戦略的な対応をしなくてはならない。
まず、ロシアを徹底的に追い込んで、中国に近寄らせるのは得策でない。中国がロシアの外交的支援を得ることで、「尖閣諸島を武力によって奪取することができる」という誘惑を抱かないようにすることが重要だ。日本政府として、ロシアのクリミア併合は断固認められないという姿勢を示すとともに、ロシアとの政治、安全保障問題についての対話を絶やさないことが重要だ。その意味で、安倍政権は、賢明な対露政策を行っている。