【KEY BOOK】「平行植物」(レオ・レオーニ著、宮本淳訳/ちくま文庫、工作舎、1155円、在庫なし、2310円)
上にも書いたように、これはぼくの工作舎時代に翻訳刊行したもの。文庫にもなった。たくさんの幻想植物が登場するのだが、これらはすべて平行植物群と称され、人間の知覚では実態が解明できない。アカデミズムからは無視されてきたが、その驚くべき「平行化」の特質は、植物的ミラーリングの真骨頂ともいえるため、いまでは学会や国際会議も開かれている。それにしても翻訳が大変だった。
【KEY BOOK】「間の本-イメージの午後」(レオ・レオーニ&松岡正剛/工作舎、1500円、在庫なし)
レオーニとぼくが東西の「間」MAをめぐって自由に語りあった本。対話は、想像力はなぜ実在よりも「不在」に向かえるのかということ、子供の頃から近づきたいのに近づけないものは何かということ、無償の行為はなぜ発見的なものになりうるかということ‥‥等々、たいへん重大な「心のMA」に向かって進んでいく。34年前の本だが、久々に通読してみて、ぼくのイメージの吐露として、まだこの本を超えられていないなと思ったほどだ。(編集工学研究所所長・イシス編集学校校長 松岡正剛/SANKEI EXPRESS)