地震対策大綱の体系=2014年3月30日現在、※カッコ内は作成年【拡大】
ただ、東日本大震災では岩手県宮古市田老地区で「万里の長城」と呼ばれた巨大防潮堤を津波が越え、多くの犠牲者が出ており、ハード事業の限界も浮き彫りになった。
南海トラフ地震の政府想定では、津波による死者は全体の約7割の約23万人に上る。だが、中央防災会議は、地震発生後20分以内に全員が避難を始めれば、このうち半分程度が被害を逃れると推計している。
基本計画でも言及しているように、まずは住民一人一人が避難の意識を高めることが大切だ。自治体は、ハザードマップの作成や地震発生時の迅速な情報提供体制といった住民の避難を後押しする仕組みづくりを急がなければならない。(SANKEI EXPRESS)