チリ北部沖で4月2日(日本時間)に起きたマグニチュード(M)8.2の地震で、3日午前から午後にかけて北海道から関東の沿岸、伊豆諸島、小笠原諸島に津波が到達した。気象庁は3日午前3時に津波注意報を発表、岩手県久慈市で60センチ、北海道えりも町と茨城県大洗町で30センチ、仙台市などで20センチを観測したが、3日午後6時に解除した。
気象庁は、津波は最大でも1メートルで陸上に浸水しないと予想したが、震源が海外の「遠地地震」に伴う津波のため、潮位変動が長く続き、津波注意報の解除まで時間がかかった。
気象庁の予測では西日本や沖縄にも津波が来る計算だったが、米ハワイ州での観測値が計算の半分程度だったことなどから、日本への影響も限定的と判断。注意報の対象は北海道から千葉県の太平洋側、伊豆諸島、小笠原諸島とした。
総務省消防庁によると、この津波で青森、岩手、宮城の3県の7市町が約3万人に避難勧告を出した。
津波注意報が発表されたのは、昨年(2013年)10月26日に福島県沖の地震で岩手県から千葉県の沿岸に出されて以来。海外の地震による遠地津波では、ソロモン諸島沖の地震で昨年(2013年)2月に北海道から九州にかけての太平洋側と沖縄に出されて以来。