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天使から少女になる瞬間とらえる 回顧「バルテュス展」 (3/5ページ)

2014.4.28 13:40

バルテュス「美しい日々」(1944~46年)_ハーシュホーン博物館と彫刻の庭。(C)Hirshhorn_Museam_and_Sculpture_Garden,Smithsonian_insutitution_Gift_of_the_joseph_H.Hirshhorn_Foundation,1966.Photography_by_Lee_Stalsworth

バルテュス「美しい日々」(1944~46年)_ハーシュホーン博物館と彫刻の庭。(C)Hirshhorn_Museam_and_Sculpture_Garden,Smithsonian_insutitution_Gift_of_the_joseph_H.Hirshhorn_Foundation,1966.Photography_by_Lee_Stalsworth【拡大】

  • 再現されたアトリエ(提供写真)
  • バルテュス「夢見るテレーズ」(1938年)_メトロポリタン美術館。Jacques_and_Natasha_Gelman_Collection,1998(1999.363.2).Photo:Malcolm_Varon.(C)The_metropolitan_Museam_of_Art.Image_source:Art_Resource,NY
  • バルテュス「キャシーの化粧」(1933年)_ポンピドゥー・センター。(C)Centre_Pompidou,MNAM-CCI、Dist.RMN-Grand_Palais/Jean-Claude_Planchet/distributed_by_AMF

 だから、バルテュスの絵は、けっしてのんびりとした空間を描いていない。緊張感に満ちた構図や人物のポーズには、次の瞬間、何が起こるかわからない不穏さが秘められている。

 今回は展示のない「街路」や「山(夏)」では顕著だが、登場人物はだれも目を合わさず、どこか挙動不審だ。刺激的な美と不安さ、そして伝統的な絵肌や色調が同居する作為的な画面は、鑑賞者の心に突き刺さり、記憶に根を下ろす。

 前衛には背を向け

 バルテュスは「孤高の画家」と呼ばれる。独自で絵を学び、ピカソやサルバドル・ダリらと交わりながら、キュービスムにもシュールレアリスムにも背を向けて、最後まで具象を貫いた。

 拾った猫との触れあいを描いて「ミツ」として出版したのは、わずか13歳、エミリー・ブロンテの小説「嵐が丘」の挿絵を描いたのは24歳ごろ。展示されている、これらの作品を見れば、若くして卓抜したデッサン力を備えていたバルテュスが、持てる才能を投げ捨て抽象画に走る必要はなかったし、「流行(前衛)はいつか古びる」ことを鋭敏な臭覚で感じ取っていたとも思えてくる。

「自然光をどれだけ重視していたのかが、よく分かる」

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