環境問題や食の安全への関心から有機農産物の消費量は増えつつあるとはいえ、まだ市場は外観に難のある農産物をなかなか受け入れてはくれない。見た目に左右されない需要を探している時、小田原特産の梅に新しい道が開けました。日本古来より用いられてきた和漢生薬の働きに着目し、日本産のオーガニック素材を求めていた化粧品ブランド「warew」が、化粧品原料として用いることになったのです。食べるためにつくったものを化粧品に?という当初の躊躇(ちゅうちょ)は、良いものができればPRになるし、生産者増加や環境保全へつなげていけるという期待に変わったそうです。
慣行農法の梅は紫外線によって誘発されるシミが硬くなり商品価値を下げることがありますが、有機梅は問題なく用いることができるといいます。自然の恵みがたくさん詰まった有機のポテンシャルの高さに注目です。
「時代は変わった。選ぶことのできる時代だからこそ、ものごとを変える力を持つ消費者には責任があるんだよ」という石綿さん。流されず、見極めていく力があればこそ日本のものづくりは継承されていくのです。(SANKEI EXPRESS)