次は、イタリアを訪れ、貧民窟だと思っていた小さな集落が、実は本当の意味での豊かさを持つクラインガルテンだったと気づいたこと。この2つの逆転が、彼を駆り立てるモチベーションとなってきた。改めて、人間の内面の大事さを思わされました。やはり、人間ありきなのだと。
その後、壁にぶつかったときに助けてくれたのも人間です。ヒントをくれた官僚だったり、さまざまな思惑があれど、結果的に予算を通してくれた議会だったり。誰一人欠けても、今のクラインガルテンはなかったでしょう。
都市と農村共存
一方、ガルテナーの岡崎さんは、ご自身がおっしゃったように、人生の快感の音域を広げる生き方をされていらっしゃる。ガルテナーたちは、農作業を通じて自分たちがさらに成長すること、学ぶことに喜びを覚えている。不便すら「知らないともったいない」とおっしゃる姿に、クラインガルテンは〈辛抱と寛容〉が自然と身につく場所なのだと感じました。辛抱はつらいことだという思い込みがあるけれど、実は長期の利益を得るためのステップなのだと思います。真の豊かさへ向かうステップなのだから、本来少しもつらくないはずなのです。彼らは、そういったことに気づいている。