金井(保志)さんがおっしゃっていた害獣の問題も、その一つです。四賀という小さな地域を見にきたのだけれど、そこから日本全体の課題が見えてきた。小さな土地に立ち、土に触れることで、世界規模で生じている問題まで見えてくる。害獣が増えたのは、温暖化のほか、資源活用の偏りや人口流失などで、自然の秩序が乱れてしまったから。各国共通の経済構造の問題点があらわれているのです。
もはや古くなったと言える価値観に立った都市集中のシステムが、今の人口減少の背景の一つになっていると思います。今の都会では、子供を育てられるかな、と不安になってしまうのは仕方のない話です。そういった人たちが自然を経験することで、目の前にあるのに未知だった世界の豊かさに気づくことがあるのではないでしょうか。
そのために、「滞在型」を少し変えて、「往還型」という言葉を提案したい。行って戻ることができるって、すごく自由。自由を担保することで、足止めしている人たちを解き放つことができるのではないでしょうか。行きつ戻りつが、都市と農村が持つ行き詰まりを展開させてくれる。