爽やか風味、上品な味
カヌーを漕ぐ。するとおなかがすく。宿泊した「休暇村裏磐梯」の夕食バイキングは、和洋中40種類の料理が並ぶ。中でも旅行客にうれしいのが会津の郷土料理。内陸にある会津周辺では、昔から海産物の乾物や干物を上手に食べてきた文化があり、休暇村でもそれを味わうことができる。例えば、身欠きニシンを使った「ニシンの山椒漬け」は口に含むとふんわり爽やかな風味が食欲をそそる。甘めに煮染めた「棒タラ煮」とともに、味付けがやや濃いめで、ご飯が進む。一方、祝い膳には欠かせない「こづゆ」はホタテ貝柱のダシで、干しシイタケやニンジン、ヤマイモなどを煮て平たい椀(わん)でいただく一品で、上品な味わいだった。
≪山塩生かしたスイーツ、ラーメン≫
こうした伝統料理に加え、最近、裏磐梯のご当地グルメで評判なのが、「山塩」を使ったスイーツや料理だ。「塩」がつく地名が多いことからわかるように、実は裏磐梯では古くから温泉水を使った製塩が行われてきたが、近年、それが復活。薪で火をたき、釜で温泉水を煮詰める古式ゆかしい製法で製塩している「会津山塩企業組合」(aizu-yamajio.com)を訪ねると、入社5年目の鈴木裕一さん(22)が釜から塩をすくって見せながら「山塩は口当たりがまろやかです」と教えてくれた。