ただ、「日本人配偶者」をめぐって、旗振り役の外務省の動きは鈍い。日本赤十字社は1997~2000年に計3回、北朝鮮にいる計43人の一時帰国事業を展開するなど、日本人配偶者らの情報を入手してきた。今回、官邸・外務省から検証に向けた準備の要請はないといい、今後の対応は不透明なままだ。
「遺骨」「残留日本人」の情報を持つ厚生労働省も動いていない。厚労省社会・援護局は、軍人の死亡地や未帰還者に関する資料を終戦直後に旧引揚援護庁から引き継ぎ省内で保管。今回の再調査の裏付け作業に欠かせない資料となるが、精査は進んでいない。
政府関係者は、「政府の対応で最も優先順位が高いのは拉致被害者救出だ。日本人配偶者や遺骨問題に対する動きはおのずとゆっくりになる」と指摘。官邸筋も「日本人配偶者や遺骨問題はかなりの調査が必要で、時間がかかる」との見方を示す。