サイトマップ RSS

歌舞伎座幕見から再び「三人吉三」を思う 長塚圭史 (4/4ページ)

2014.8.19 10:30

朝方涼しいとつい朝寝をしてしまうが、ふらり散歩の果てに歌舞伎座なんていうのも、粋でしょう?=2014年8月2日(長塚圭史さん撮影)

朝方涼しいとつい朝寝をしてしまうが、ふらり散歩の果てに歌舞伎座なんていうのも、粋でしょう?=2014年8月2日(長塚圭史さん撮影)【拡大】

  • 【続・灰色の記憶覚書(メモ)】演出家の長塚圭史さん(提供写真)

 ちなみに音楽編成のところに附打の徹さんを加えたが、御存知のように附打は舞台向かって右手の前方で、見得や動作、立ち回りに合わせてバタバタと板を拍子木2つで叩く役目で、音楽とはまたちょっと違うのだが、長年コクーン歌舞伎に関わってきた徹さんは、そこでジャズ演奏をする方々などと出会い、すっかり意気投合して、今ではかなりラディカルな附打に変化(へんげ)する。とにかくそこら中からさまざまなモノを持ち込んで、密かに鳴らす。金勘定をする鷺(さぎ)の首の太郎衛門が出て来るとそろばんを弾く。長屋になれば茶碗を叩く。パーカッションと呼応しながらさまざまな遊び心を持ち込む稀有な附打なのだ。

 さて、ここから下座なしの中で立ち回りを組上げて行く難しさへと話は進むのだけれど、文字数限界。イザ次回へと続けましょうか。(演出家 長塚圭史、写真も/SANKEI EXPRESS

 ■ながつか・けいし 1975年5月9日、東京生まれ。96年、演劇プロデュースユニット「阿佐ヶ谷スパイダース」を結成。ロンドン留学を経て、新プロジェクト「葛河思潮社」を立ち上げた。9月に葛河思潮社の第4回公演『背信』(ハロルド・ピンター作、喜志哲雄翻訳、長塚圭史演出)を上演。出演は松雪泰子、田中哲司、長塚圭史。

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

毎日25分からのオンライン英会話。スカイプを使った1対1のレッスンが月5980円です。《体験無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。

ページ先頭へ