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手と指は、目と口ほどに本を読む 手指の使い方が、本をダイナミックにもセクシーにもする 松岡正剛 (2/3ページ)

2014.8.19 11:45

【BOOKWARE】編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さん=9月14日、東京都千代田区の「丸善丸の内店内の松丸本舗」(大山実撮影)

【BOOKWARE】編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さん=9月14日、東京都千代田区の「丸善丸の内店内の松丸本舗」(大山実撮影)【拡大】

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 ページをめくる手つきは必ずしも一様ではない。幾つかのスキルが分かれる。日本語のタテ組の本ならば、ふつうは右手で左ページの下端をめくっていくだろうが、集中するときやマーキングをするときは、左の人差し指と親指で左ページの上端をアーチ状に送り、中指で次ページを押さえていく。これがヨコ組の本や洋書なら、右指右送りを強いられる。

 意外に思われるかもしれないが、左手の親指だけでページを送ることも少なくない。これは新書や文庫などの軽めの本を机上に置かずに、少し空中に持ち上げたまま読むときで、札束を送るように左手の親指をずらしながら読むのだ。かなりリズミカルに集中できる。右手で電車の吊り革につかまり左手で読むときのことを想像してもらえば、このスキルがそんなに難しくないことがわかるだろう。ちょっと試してもらいたい。

 もう亡くなったのだが、ぼくの叔父に聖書の点字訳をした全盲者がいた。ヘレン・ケラー賞をもらった。その叔父に初めて点字本を“読む”ところを見せてもらったときは衝撃的だった。まさに手と指が克明に文字の送りを読んでいた。以来ぼくは、もっと手と目と指を連動させて本を読むようにしたいと思うようになった。

読書 知身一体のアフォーダンスに満ちた行為

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