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井上鑑(あきら)という「音の庭」へ このミュージシャンにこそ、日本の音楽の将来を託したい 松岡正剛 (1/5ページ)

2014.6.17 15:35

函館のトラピスト修道院の庭で、自著『僕の音、僕の庭』を手にする井上鑑。この静かな風情の奥に、実に自在な音楽力とすこぶるラディカルな思考が秘められている=北海道・函館市(小森康仁さん撮影、松岡正剛事務所提供)

函館のトラピスト修道院の庭で、自著『僕の音、僕の庭』を手にする井上鑑。この静かな風情の奥に、実に自在な音楽力とすこぶるラディカルな思考が秘められている=北海道・函館市(小森康仁さん撮影、松岡正剛事務所提供)【拡大】

  • 【BOOKWARE】編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さん=9月14日、東京都千代田区の「丸善丸の内店内の松丸本舗」(大山実撮影)
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 【BOOKWARE】

 冬樹社という小さな版元があった。坂口安吾、岡本かの子、山川方夫の全集を刊行し、月刊誌「カイエ」やポストモダンな季刊誌「GS」なども手掛けていた。そこからふいに井上鑑(いのうえ・あきら)がプロデュースした『カルサヴィーナ』がカセットブックとして結晶のように上梓された。松田行正君がデザインしていた。1984年のことだ。

 タマラ・カルサヴィーナは、ニジンスキーとともに天才興行師ディアギレフが生んだバレエ・リュスの踊り手である。井上鑑はこのイメージを追いかけて、作曲と本作りに挑んだ。佐野元春との収録対談を読むと、このころの井上は「踊るもの」に強いバイブレーションを感じていたようだ。

 それから四半世紀、その鑑さんに本を書いてみたらと勧めたのはぼくだった。そのころ2人は藤本ペコちゃんを加えて、いろいろなシーンづくりの仕事をしていた。すればするほど、このミュージシャンが言葉と音楽と文化を多重に解読していることがわかった。ぜひ、その世界をみんなに広めてほしいと思った。こうして『僕の音、僕の庭』ができた。

音の佇まいから言葉との出会いまで

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