焼八寸は、この器だと和食だが、器を変えればフレンチとしても通用する。柔軟な発想から生まれた世界にアピールする和食だ。ちなみに料理に使う器類には、三浦雅彦料理長が選んだものも=2014年8月11日、京都市中京区(恵守乾撮影)【拡大】
滋味深い昆布だし
まずは「焼八寸」。「伊佐木塩焼 酢取り蓮根」や「無花果の味噌田楽 天使の海老紫蘇巻揚げ」「夏鴨ロースワイン蒸し ズッキーニ」など全5品をいただくが、素材の上品な自己主張ぶりはさすが。和食の極みと思いきや、三浦雅彦料理長は「これ、盛りつける器を変えたらフレンチなんですよ」と驚きの種明かし。何とフレンチの発想で作り上げた和食だったのだ。
さらに「御椀」の「利尻昆布をふんだんに使ったスープ 昆布出汁(だし)仕立て」では、北海道の利尻昆布の中でも最高級品で知られる礼文の香深(かふか)の1年物を使用。「鰹節を使う代わりにこれを通常の2倍使っているんです」(三浦料理長)。
最初に出汁だけをいただいたが、深遠で滋味深い味わいに衝撃を受けた。「いま、仏でも昆布の出汁を使うシェフが増えている」(三浦料理長)のもうなずける。御椀はこの出汁でできた「スープ」を鱧(はも)の葛打(葛粉をまぶし、火を入れること)や揚茄子などともに味わえる極上のひと品。