谷垣氏のグループ「有隣会」からは、谷垣氏が消費税率上げに関する自民、公明、民主各党による「三党合意」の当事者であることから、「万一消費税率上げを凍結することになり、それを谷垣氏が黙認したら政治生命に重大な影響が出る」と懸念の声も上がる。だが、谷垣氏自身は3日の幹事長就任直前、周囲に「自分の政治生命なんて、そんなこと考えちゃいけない」と漏らした。首相は、そういう谷垣氏の人柄も織り込み済みなのだろう。
≪「女性議員の星に」 稲田氏を大抜擢≫
もう一つ今回の人事で目立つのは、「女性の輝く社会の実現」を掲げ、女性の積極登用を目指す首相が6人の女性を要職に起用したことだ。
中でも、抜擢(ばってき)人事といえるのが、衆院当選3回の稲田朋美氏を党三役の一つであり、政策をつかさどる政調会長に起用したことだ。
「稲田さんを女性議員の星にしたい」
首相は先月初旬、当時は行政改革担当相だった稲田氏について周囲にこう語っていた。また、改造で現職から外すことになった場合でも「きちんとメーンテーブルに据える」と明言した。稲田氏を将来の女性首相候補の一人として扱い、経験を積ませて育てたいという考えからだ。