日蓮宗系の尼僧、鈴木日宣(すずき・にっせん)さん=2014年4月2日、千葉県内(伴龍二撮影)【拡大】
「物言えば唇(くちびる)寒し秋の風(うっかりものを言ったことが原因で寒々しい思いをする)」。これは芭蕉の俳句です。また明治天皇は「しのびてもあるべきときにともすれば あやまつものは心なりけり(人は耐え忍ばねばならないときに辛抱しきれず軽はずみな言動をし、取り返しのつかない失敗をするもの。みな自分の修養が足らないからである)」という御歌を詠(よ)まれています。「なぜあんなことを言ってしまったんだろう」と後悔したことが誰にもあると思います。悔やんでも一度口から出た言葉は元には戻せません。日蓮聖人は「災いは口より出て身を破る。幸いは心より出て我(われ)を飾る」と、言葉には十二分に気をつけ、心を磨くことが自分の幸いにつながると教えてくださっています。
相手思えば自然に
「人を罵(ののし)る、けなす、侮辱する、汚い言葉で怒鳴ること」を仏教では「悪口(あっく)」といい、人間が犯しやすい上にとても重い罪です。「どんなに怒りの心があったとしても、乱暴な言葉は絶対に使ってはならない。決して言ってはならない言葉もある。言葉は選んで使いなさい」と師匠より教わって参りました。