日蓮宗系の尼僧、鈴木日宣(すずき・にっせん)さん=2014年4月2日、千葉県内(伴龍二撮影)【拡大】
言葉は使い方によって相手の心を善にも悪にもいたします。悪口を犯さず、人を励まし勇気づける言葉を使うことです。温(ぬく)もりのある言葉をもって支え合い励まし合うことこそ、真の人間同士の姿ではないでしょうか。
≪法話から倫理道徳学び心豊かに≫
「欧米のキリスト教国では知識は学校。生活態度(躾(しつけ))は家庭。倫理道徳は教会と役割分担している」と師匠から伺いました。考えてみるに戦前の日本でも同じように役割がきちんと分担されていたと思います。家庭内では忍耐を始め礼儀などの徹底した躾を。学校では勉強および社会に対する心構えを。そして寺院では善を行い悪を止めるという倫理道徳を。こうした教育により戦前の日本の精神文化は世界でもトップクラスだったのです。
しかし現在はどうでしょう。挨拶や「ありがとう」を言えない子供や、人に迷惑をかけ公共物を破損しても平気でいる若者。また上司に少し叱られただけで会社を簡単に辞めてしまう社会人がいます。多くは家庭内できちんとした躾がなされず、悪いことをしても親に叱られずに育ってきたことが原因だと思われます。