「企業にはプラス、家計にはマイナス」
こう分析するのは、ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎・経済調査室長だ。
生産の海外移転が進み、円安でも輸出量は伸びにくくなったが、海外の売上高を円換算すれば円安効果が大きく出るからだ。
非製造業では輸入品の仕入れ価格が膨らむため、基本的には円安は逆風となる。しかし、デフレからの脱却が現実味を帯びる中、コストアップ分を価格転嫁しやすくなっており、サークルKサンクスの竹内修一社長も「将来的には価格転嫁することもあり得る」と打ち明ける。
日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁(69)は16日の記者会見で「日本経済にとって(円安は)マイナスにはならない」との持論を改めて披露している。
2012年12月の第2次安倍晋三政権発足をきっかけに、輸出産業を苦しめてきた円高が是正され、企業業績は大きく改善した。