しかし、東芝の田中久雄社長(63)が「急激に円安に振れると、材料費や燃料費が高騰する」とこぼすように、行き過ぎた円安への警戒感も強まる。円安を“歓迎”してきた自動車業界ですら、「手放しで喜ぶ状況にない」(池史彦・日本自動車工業会会長)と懸念を示し始めた。
また、電気・ガス料金は円安などによる原燃料価格の上昇を毎月の料金に自動的に反映する仕組みがあり、日本ガス協会の尾崎裕会長(大阪ガス社長)は18日の記者会見で「消費者の負担が大きくなる」と懸念を示した。SMBC日興証券の丸山義正・シニアエコノミストは「1ドル=110円突破も否定できない」と予想。どこまでの円安を是認するのか、アベノミクスがこれから直面する焦点のひとつになりそうだ。(藤原章裕/SANKEI EXPRESS)