≪「怖かったよね」友、家族に語りかけ≫
笑顔に似合う花手向け
広島市の土砂災害の現場では20日、家族や友人らが花を手向け、犠牲となった故人をしのんだ。ボランティアセンターには長い列ができ、「力になりたい」と、土砂やがれきの撤去に多くの人が協力した。
最大の被害が出た安佐南区(あさみなみく)八木3丁目。会社員の池内麻衣さん(31)は、ひまわりの花束を持って現場を訪れた。高校の同級生だった冨永美奈子さん(31)の笑顔にこの黄色い花がぴったりだと思ったからだ。
土石流は美奈子さんを含め一家4人の命を奪い去った。その自宅付近にはまだ大量のがれきが残っている。「怖かったよね。苦しかったよね」。池内さんはそう語りかけた。「でも家族が一緒。寂しい思いはしていないよね」
思い出さない日はない
八木4丁目で犠牲になった伊呂波(いろは)雅子さん(52)宅付近。うずたかく積み上がったがれきの横で母親の辰見美代子さん(76)が座り込んでいた。
彼岸でもあり、島根の実家から線香をあげにきた。「娘はよく農作業を手伝ってくれた。ああしてくれた、こうしてくれたと思い出さない日はない」