≪強まる「悪いインフレ」の懸念≫
8月の全国消費者物価指数は、緩やかな物価上昇が続いていることを示したが、日銀が理想とする「需要の強さが物価を引き上げる」(ディマンド・プル)形の物価上昇の姿は見えてこない。むしろ、最近の円安進行を受け、「コスト増が物価を引き上げる」(コスト・プッシュ)という「悪いインフレ」の懸念が強まっている。景気の好循環の維持に向け、物価上昇に見合った働き手の賃金上昇が一段と重みを増している。
8月の全国消費者物価指数で、天候要因で値動きする生鮮食品などの食料品や、国際市況などが影響するエネルギー価格を除いたベースでは、4月以降、2.3%程度の横ばいの動きが続く。消費税増税の影響を除けば、0.6%の上昇にとどまる。物価上昇の“地力”は「まだ力不足」(野村証券の水門善之エコノミスト)との評価もある。