もっとも、2%物価上昇率目標を掲げる日銀に円安の追い風が吹く。円安による輸入物価の上昇で、「年末以降、再び物価上昇率のプラス幅が拡大する」(明治安田生命保険の小玉祐一チーフエコノミスト)観測が強まってきた。
ただ、輸入コストの増加は、大企業に比べ経営体力が劣る中小企業を直撃する恐れがある。景気改善をともなわず、コスト増を主因する「悪いインフレ」では、企業はコスト増を価格転嫁しにくい。企業が従業員の賃金引き上げを後回しにし、働き手が財布のひもを絞れば、個人消費に冷や水を浴びせかねない。
政府と経済界、労働団体が29日に再開させる「政労使会議」では、賃上げもテーマになる見込み。地方経済を支える中小企業を意識し、政府が「ローカル・アベノミクス」を掲げる中、賃上げが中小企業に幅広く及ぶかどうかも、重要なポイントとなりそうだ。(塩原永久/SANKEI EXPRESS)