日朝外務省局長級協議に臨む北朝鮮の宋日昊(ソン・イルホ)・朝日国交正常化交渉担当大使(左から2人目)と外務省の伊原純一アジア大洋州局長(右端)。北朝鮮側はこの会合で、日本側の平壌訪問を提案した=2014年9月29日、中国・遼寧省瀋陽市(共同)【拡大】
「絶対諦めない」
「あの国で死にたくなかった」。2002年10月に帰国した地村富貴恵さん(59)は帰国後、兄の浜本七郎さん(62)に北朝鮮での暮らしの過酷さをこう語ったという。浜本さんは「未帰国の被害者は心の底から助けてくれと言っている。絶対に諦めないし、諦められるはずがない」と話す。
だが、富貴恵さんと夫の保志さん(59)、蓮池薫さん(57)、祐木子さん(58)夫妻、曽我ひとみさん(55)の5人が帰国して以降進展はなく、北朝鮮は政府認定の拉致被害者について「8人死亡、4人未入国」という主張を変えていない。
今月5日に50歳になった横田めぐみさん=拉致当時(13)=の母、早紀江さん(78)は11日の講演で「30歳までには、40歳までには(救出を)といいながら活動を続けてきた」と帰国を果たせない悔しさをにじませた。7月には北朝鮮による拉致被害者らの再調査が始まった。家族は政府から説明を聞くため何度も足を運んだが、期待するような答えは得られていない。