日朝外務省局長級協議に臨む北朝鮮の宋日昊(ソン・イルホ)・朝日国交正常化交渉担当大使(左から2人目)と外務省の伊原純一アジア大洋州局長(右端)。北朝鮮側はこの会合で、日本側の平壌訪問を提案した=2014年9月29日、中国・遼寧省瀋陽市(共同)【拡大】
事態進展にやむなし
「報告があるなら行くけれど、説明だけなら…」。市川修一さん(59)=拉致当時(23)=の兄、健一さん(69)はそう考え、今月1日の説明会への参加を見合わせた。この日の説明会では、北朝鮮側の訪朝要請に家族から慎重な声が相次いだ。
一方、松木薫さん(61)=拉致当時(26)=の姉、斉藤文代さん(69)は「今回を逃せば、また何年も待たなければいけない」と懸念する。今年1月に母のスナヨさんが亡くなり、9月には自身に脳動脈瘤(りゅう)が見つかった。「何年か後に解決しても家族が誰もいなければ意味がない」。斉藤さんは、事態の進展には訪朝もやむを得ないと感じている。
10年ぶりに始まった再調査を解決に結びつけたいとの思いは、どの家族にも共通している。田口八重子さん(59)=拉致当時(22)=の兄で家族会代表の飯塚繁雄さん(76)は「家族は安倍総理を信頼している。訪朝は総理の判断だ」と指摘。そのうえで「北朝鮮のペースに巻き込まれているように見える。訪朝するのであれば北朝鮮が拉致問題を最優先に扱うよう、戦略を練って臨んでほしい」と話した。(SANKEI EXPRESS)