サイトマップ RSS

認知症患者に本は必要か? 幅允孝 (2/5ページ)

2014.11.4 16:20

さやのもとクリニックのライブラリー(幅允孝さん提供)

さやのもとクリニックのライブラリー(幅允孝さん提供)【拡大】

  • 【本の話をしよう】ブックディレクター、幅允孝(はば・よしたか)さん(山下亮一さん撮影、提供写真)

 しかも、ほとんどの患者さんはテキストを読める状態でもない。小さな文字を続けて読む持久力は著しく損なわれており、どこからでも読み始め、どこでも終わることができる本や、ぱらぱらとページをめくるだけで楽しめるような本にしか興味を持ってもらえない。つまり、写真や絵、イラストなど視覚的に楽しめる本を中心に選書をするしかなかったのだ。

 写真集やアートブックというと、随分と高い敷居をイメージする方も多い。けれど、これらの本が本来あった文脈から離れると、急に認知症病院でも面白がってもらえる本に変貌するのには驚いた。例えば、『カタログで知る国産三輪自動車の記録。1930~1974』という三樹書房の一冊。この出版社はかなり古い時代のものを含めた車関連の書籍がとても強い、カーマニアにはよく知られる版元だ。けれど、農業従事者の多かったこの佐賀の土地では、車好きという視点ではなく、かつての自分の仕事道具という目線で当時のオート三輪の写真や広告を見てくれる。

 「記憶の断片」掘り起こす

 認知症患者の方は、短期記憶が苦手である。「ついさっき」のことが最も損なわれてしまう可能性が高いから、今朝のご飯の話などはうまく進まないことも多い。けれど、長期的な記憶はしっかりと彼らの中に埋まっている。それをどう掘り起こし、触れることのできた地中の蔓(つる)を、どう引き上げるのか?が本棚づくりの肝となった。

一時代を風靡した国民的記憶

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。

ページ先頭へ