『アカギ』の魅力はいろいろありますが、やはり一番は主人公、赤木しげる(13~19歳)の頭抜けたかっこよさにつきるでしょう。「倍プッシュだ…!」とどんどんレートをつり上げ、ほとんど生きるか死ぬかレベルの勝負に身を投じるアカギ。天才の彼は死をまったく恐れません。けれどもいつでも勝ちに行く。純粋にギャンブルに対して真摯(しんし)なのです。それから相手の手を読み、次にどう来るか予測し、一つ牌を捨てるごとにターゲットの思考を操り、術中にはめる見事さ。読者をうならせる手でアカギがあがってから、彼の策略が周りの人間の視点、対戦相手の気づき等でひもとかれるので、ちょっとしたミステリーのようでもあります。また対戦中の読み合いやかけひき、心の揺らぎは、アカギ以外丁寧に描かれるので(アカギは逆に描かれないことによって、さらにミステリアスな魅力を増します)、ゲームでしか麻雀が打てない私でも、心理戦を追う醍醐味があります。
もちろん、実践的に役立つ情報もあります。最初のほうで捨て牌を3種に分けて考えるというロジックは、目からうろこでした。そこを読んだだけで、なんだか強くなったような気がしたものです。