鎌倉は毎年、紅葉の訪れが遅い。樹木の種類によってはすでに色づいているところも部分的にあるが、獅子舞や瑞泉寺など谷戸の奥の紅葉名所が見ごろになるのは11月の終わりから12月にかけてだろう。
海に近い鎌倉では、潮風の影響で内陸部のように見事な紅葉は期待できませんよという人もいる。確かに、鎌倉は紅葉よりも新緑やアジサイの印象の方が強い。だが、先ほどの獅子舞や瑞泉寺、扇ガ谷の海蔵寺、北鎌倉の明月院など、海からは山の裏側にあって潮風が遮られている場所の木々の色づきは見事である。
また、長谷寺は境内が海に近接しているが、見事な紅葉が毎年、ライトアップされている。ひとくくりにはできないようだ。お寺の人たちの努力もあるのだろうが、自然は深いと言わざるをえない。(文:編集委員 宮田一雄/撮影:写真報道局 渡辺照明/SANKEI EXPRESS)