消費税増税で株高効果に陰り(各項目とも2008年9月=100)=2008年9月~2014年9月【拡大】
そんな基調の中で、安倍政権が12年12月に発足して、アベノミクスへの期待で株価が上昇し始めた。すると、家計消費も実質GDPも上昇軌道を描き出したことが読み取れる。ところが、この2つとも今年4月にぽきんと折れた。いったん下がった株価は6月から反転上昇し始めたにもかかわらず、GDPは下向いたままだし、家計消費の回復は弱々しい。
グラフのデータは9月までで、10月末の異次元緩和追加と円安・株高を反映していないが、株高によるGDP押し上げ効果は日本の場合、米国に比べてかなり弱い。リーマン・ショック後のデータをもとにした筆者の試算では、株価が2倍になった場合、米国では11年9月以降、一貫して実質GDPが15%前後増えるが、日本では12年12月以降は5%前後で、7月以降は2%台まで落ち込んだ。
安倍政権が消費税増税を見送るだけでは、アベノミクスを蘇生(そせい)させられない。デフレ再燃の恐れが顕在化した以上、政府は増税効果を相殺する財政政策を打ち出すべきだ。現役世代向けの所得税減税が急がれる。(産経新聞特別記者・編集委員 田村秀男/SANKEI EXPRESS)