週末には大勢のファンでにぎわう香港のシャンティン(沙田)競馬場。香港では英国統治時代から競馬が盛んだが、法律上賭博が禁止されている中国でも、いよいよ競馬が解禁される日が近そうだ=2010年4月25日、中国・香港、九龍半島郊外の新界沙田区(ロイター)【拡大】
【国際情勢分析】
中国政府は今年10月、「体育産業の発展と消費促進に関する意見」を発表し、現在3100億元(約5兆9400億円)前後のスポーツ産業規模を、2025年までに5兆元(約95兆7300億円)まで拡大する方針を打ち出した。習近平国家主席(61)がご執心のサッカーの強化、競技人口の拡大が期待されているが、もう一つ、中国国内で話題となったスポーツ産業がある。現在、中国では基本的に認められていない「競馬」だ。
組織発足イベント
9月22日、北京市内の全国政治協商会議札堂で、ある組織の発足イベントが開かれた。その名は「中国競馬会」。北京出身で英国籍を取得したという女性が事務長を務めるこの組織は、来年7月に上海市、10月に北京市の周辺で、国際レースを開催する計画を発表した。中国政府が公認するスポーツくじ「体育彩票」の一つとして、「馬券」も販売されるとの触れ込みだった。