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震災を忘れない 民を見守る素朴な面差し 「みちのくの仏像」「3・11大津波と文化財の再生」 (2/6ページ)

2015.1.19 10:55

「重要文化財_薬師如来坐像」_平安時代・貞観4年(862)_岩手・黒石寺蔵=2015年1月13日、東京都台東区・東京国立博物館(原圭介撮影)

「重要文化財_薬師如来坐像」_平安時代・貞観4年(862)_岩手・黒石寺蔵=2015年1月13日、東京都台東区・東京国立博物館(原圭介撮影)【拡大】

  • 「重要文化財_十一面観音菩薩立像」_鎌倉時代・14世紀_宮城・給分浜観音堂蔵=2015年1月13日、東京都台東区・東京国立博物館(原圭介撮影)
  • 「重要文化財_聖観音菩薩立像」_平安時代・11世紀_岩手・天台寺蔵(東北歴史博物館提供)
  • 修復された文化財は漁具や植物標本から美術品まで多分野にわたる=2015年1月13日、東京都台東区・東京国立博物館(原圭介撮影)
  • 1600年代から気仙地域の動向を記録してきた「吉田家」文書と国内最大級の隕石について説明する神庭保存修復課長=2015年1月13日、東京都台東区・東京国立博物館(原圭介撮影)
  • 大津波で流され、米カリフォルニア州クレセントシティの海岸で発見された岩手県立高田高校の実習船「かもめ」=2015年1月15日、東京都台東区・東京国立博物館(原圭介撮影)

 黒石寺の薬師如来坐像は、東京では初公開。くり抜かれた内側に、像をつくるのを願った人の名前、「貞観四年」(862年)が記され、制作年が特定できる。坂上田村麻呂が黒石寺から12キロ離れた場所に胆沢城を建てた802(延暦21)年からわずか60年後の制作。肩が張り、目尻がつり上がり、口元も引き締まった表情は、蝦夷征伐の戦いが繰り広げられた過酷な時代を反映しているのかもしれない。

 難を逃れた美しい姿

 宮城県の牡鹿半島の高台にまつられていた高さ2.9メートルの重要文化財「十一面観音菩薩立像」(鎌倉時代14世紀、給分浜観音堂)も東京初公開。東日本大震災では大津波が押し寄せたが、仏像は難を逃れた。これほど大きな仏像は平安、鎌倉期には類がない。集落では、漁や航海に出る人々を見守る仏、“灯台”のような存在だったとみられている。

 岩手・天台寺の聖観音菩薩立像は、美しい姿、とくに鑿(のみ)の跡が特徴の仏像として人気がある。当初は、未完成と思われていたが、全身を浅い鑿で整えたうえに、さらに粗い鑿を施していることから、独特の“表現”であると解釈が変わった。こうした荒い仕上げの仏像は数十体あり、大半が関東から東北に見られるという。

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