このほか、細く、微笑んでいるような眼の表情が特徴の円空仏「釈迦如来立像」(江戸時代17世紀、青森・常楽寺)、運慶らの「慶派」に属する仏師が制作したとみられる重要文化財「十二神将立像」4体(鎌倉時代13世紀、山形・本山慈恩寺)など、東北の民を守り、東北の民によって守られてきた仏たちが、来場者を包み込む。
東京国立博物館学芸研究部列品管理課の丸山士郎・平常展調整室長は「東北の仏像には、どこか素朴で、人間味を感じる魅力がある。ぜひ味わってほしい」と話している。
素早い「救助隊」奏功
2011年3月11日の東日本大震災から何日かたったある日、大津波で被災した岩手県陸前高田市の市立博物館の玄関先に、1枚の紙が置かれていた。その紙にはこう書かれている。
「博物館資料を持ち去らないでください。高田の自然、歴史、文化を復元する大事な宝です」
誰が書いたのか、いまだに分かっていないが、それを見た被災者や関係者は勇気づけられたという。