注目される「安倍談話」
そして12月13日。旧日本軍によるいわゆる「南京事件」の日だ。追悼式典の主催が昨年、江蘇省や南京市の地元当局レベルから国家レベルに“格上げ”されて「国家哀悼日」と位置づけられた。毎年「南京大虐殺記念館」で行われてきた式典に、昨年、初めて国家主席として演説した習氏はこう述べている。
「中国を侵略した日本軍は南京に野蛮に侵入し、極めて残虐な南京大虐殺の惨劇を引き起こした。30万人の同胞が殺戮(さつりく)に遭い、無数の婦女が蹂躙(じゅうりん)し惨殺され、無数の児童が命を落として大量の財産が奪われた。中国を侵略した日本軍は、人間性を全く失った南京大虐殺の惨劇を自ら作り出した。第二次世界大戦の『三大惨劇』の一つだ」
この昨年12月の習氏の演説をめぐって、菅義偉(すが・よしひで)官房長官(66)は今月15日の会見で「被害者数を断定することは困難」とする日本政府の見解を中国側に伝えた、と明らかにしている。