日本シリーズ出場を逃したこのオフ、巨人の背番号24は、春には40歳になる身体を入念にストレッチすると、20代のころと変わらぬまなざしでグランドに降りていきました。
高橋由伸(よしのぶ)選手は、プロヘの道の原点ともいえる慶応大学のグランドで年末も休まず身体を動かし、2月のキャンプインに備えていたのです。巨人では現役最年長になり、新たに兼任コーチの肩書もつきました。その姿を見て、ふと考えました。酷使してきた身体。そして立場の変化…。2015年を高橋由伸というプレーヤーは、どんなシーズンにするのだろうか。
私自身、高橋選手に憧れ、慶応大野球部の門をたたいた一人です。初めて挨拶をしてから16年。そして、野球部では、選手として、卒業後はキャスターとして由伸先輩の背中を見つめ続けてきました。
プレーヤー、高橋由伸の屋台骨を支えているのは、「練習をする」というシンプルな考えです。“天才”のイメージが強いかもしれませんが、食事に連れて行ってもらうと、「自分は練習しないと生き残れない」という言葉を10年以上前から何度も口にするのを聞いてきました。