「クーデター」は一般に「既存の政治体制を構成する一部の勢力が、権力の全面的掌握または権力の拡大のために、非合法的に武力を行使すること」(大辞林)などと解釈されている。
キエフの政変の場合、ヤヌコビッチ政権が欧州連合(EU)との統合路線を棚上げしたことや政権の腐敗体質に抗議する街頭デモが10万人以上に膨らんでいた。ヤヌコビッチ大統領は自らキエフを脱出し、議会が昨年2月22日に「職務不能」として解任を決議。その後に発足した親欧米派の暫定政権も合法的な議会で承認されている。
ヤヌコビッチ政権崩壊後のクリミア半島に「ファシストの危険」が迫っていた事実はなく、ウクライナ東部の紛争をたきつけたのはロシア自身である。
「デフォルト寸前」
露メディアは、ウクライナ経済の悪化に関する報道にも余念がない。国営テレビのロシア24は最近の特集番組で「ウクライナはこの1年でEU接近を果たせなかったばかりか、デフォルト(債務不履行)の瀬戸際に陥り、領土も失った」と高らかに伝えた。米欧の対露制裁でロシア自身の経済的苦境が鮮明になる中、親露派政権が転覆した隣国の生活ははるかに悲惨だと刷り込みたいのだろう。