「私たち職人は自然に学び、写し取り、自然とともにある情景からインスピレーションを得て日々の創作を進めています」と言葉を続ける。
江戸中期に活躍した画家の伊藤若冲(じゃくちゅう)は、小川代表が生まれ育ち、アトリエを置く京都の伏見に晩年の身を寄せた。墨のにじみを組み合わせて輪郭を描く超人的な技巧の水墨画を完成させ、現代アートと見まごうデフォルメに孤高の境地を示したが、自然とどこまでも向き合って、対象の内側に切り込み、核心に迫る姿勢で通底している。
小川代表は着物からインテリアへとジャンルを広げ、絹から麻や綿と素材の可能性を探りながら、伝統の技術と感性を生かし、日常の暮らしに寄り添うものづくりを進めてきた。2012年には京都商工会議所の創造的文化産業(クリエイティブ産業)モデル企業に個人のアトリエとしてただ一つ選定され、パリの見本市「メゾン・エ・オブジェ」などで高い評価を受けた。ougiはニューヨーク近代美術館のショップでも販売され、言葉を超えて理解されることに驚き、喜びを覚えたと振り返る。