「国際基準に反する」
膨張を続ける野心を支える中国の国防費は、日米関係にも変化を迫る。
米国は、厳しい財政事情から国防費の削減圧力がかかるが、反発の声も相次ぎ、せめぎ合いが続く。カーター国防長官は2月の議会証言で、領有権などを「国際基準に反する方法」で主張し地域の緊張を高めているとして、中国の軍事力増強の動きを注視し続けなければならないと強調した。
米軍高官らは議会の公聴会で、財政再建を目的とした国防費の強制削減への反対姿勢を次々に表明。ウェルシュ空軍参謀総長は2月下旬に「南シナ海などでの空・海域への勢力拡大、宇宙分野や衛星攻撃能力強化への軍事費投入は懸念材料だ」と指摘した。
米軍制服組トップのデンプシー統合参謀本部議長も3月3日「中国は驚くべき速度で新たな軍事システムを配備している」と述べ、米中関係への影響を検討しなければならないと強調した。
米政府高官らは、日米防衛協力指針(ガイドライン)の改定などを見据えた「同盟の近代化」の必要性にも言及。日本が軍事面で役割を拡大させることに期待をかけている。(共同/SANKEI EXPRESS)