【国際情勢分析】
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(62)が1年前のウクライナ・クリミア半島併合をめぐり、核戦力を臨戦態勢に置く可能性があったと発言して諸外国に衝撃を与えた。ロシアの「勢力圏」に米欧が介入した場合には核で対峙(たいじ)することも辞さない-との恫喝(どうかつ)である。第3次プーチン政権は核兵器を中軸とした軍拡路線をひた走っており、その姿勢が世界の核軍縮・不拡散に与える悪影響も看過できない。
「世界的な戦争に」
プーチン氏の発言は、クリミア併合1周年を前にした15日夜、ロシア国営テレビが放映した特番「クリミア-祖国への道」のインタビュー部分で現れた。番組は昨年2月、ウクライナの首都キエフで親ロシア派政権が崩壊した政変を「民族主義者のクーデター」とし、クリミア併合は「ロシア系住民の保護」のために不可避だったとの政権の主張を宣伝する内容だ。