女優の桐谷美玲(きりたに・みれい)さん=2015年3月25日、東京都中央区(宮崎瑞穂撮影)【拡大】
映画、舞台、テレビドラマに加え、ニュースキャスター、ついこの間までは現役の大学生-と、エネルギッシュに自己研鑽(けんさん)に努めてきた。そんな桐谷美玲(きりたに・みれい、25)が公開中の主演映画「恋する?ヴァンパイア」(鈴木舞監督・脚本・原作)で演じているのは、人間の血を欲するヴァンパイア。主演への抜擢(ばってき)にうれしい気持ちもある半面、少しとまどいもあったというのが正直なところらしい。桐谷がヴァンパイアの映画と聞いてすぐに頭に浮かんだのは、どこか薄暗く切迫感のあるイメージ。タイトルの「恋する?」から漂う底抜けに緩く悠長なイメージとは、まったく結びつかなかったからだ。
だが、桐谷は脚本を読み進めていくうちに、もやもやとしていた気持ちはいつの間にか消えてしまっていた。鈴木監督の世界観は、大勢の外国人観光客も訪れる横浜のおしゃれスポット、元町(横浜市中区)のパン屋を舞台にした、心がほっこりとするおとぎ話の体だったのだ。映画館の大スクリーンで完成作品を鑑賞した桐谷はSANKEI EXPRESSの取材に「すごい、かわいらしい世界観ですね。ヴァンパイアを扱った作品なのに、作風は今までにないくらい明るいものでした。ところどころ画面に小さく登場するアニメーションの絵も加わって、さらにかわいらしさが倍増しているな、という印象を持ちました」と声を弾ませた。