救出後は、一日中いすに座って通りを眺めるなど、何もすることがない日々が続く。「眠れるし、食欲もある」が、地震の恐怖は続いている。母親からは最近、「これからは安全な場所にいて」と国際電話があった。
救出は「(人生の)贈り物だった」と振り返るが、職を失った現実がのしかかる。「これからどうしていいか分からない」。将来の夢も「何もない」と付け加えた。(共同/SANKEI EXPRESS)
■ネパール大地震 ネパール中部で4月25日、マグニチュード(M)7.8の地震が発生。米地質調査所(USGS)によると、震源は首都カトマンズの北西約80キロ。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産の歴史的建造物を含む多くの建物が倒壊した。世界最高峰エベレスト(8848メートル)では雪崩が起き、日本人1人を含む犠牲者が出た。欧米や日本など20カ国以上が救援隊を派遣。5月12日にも東部を震源とするM7.3の地震があり、被害が拡大した。