【KEY BOOK】「日本の色辞典」(吉岡幸雄著/紫紅社、3564円)
この本をもっていない日本人はモグリだ。ほぼ完璧な日本の伝統色が一冊の色標本になっている。何度見ても見飽きない。念のために尋ねよう。次の赤系色名からどんな色合いが浮かぶ? 代赭・弁柄・茜・紅(べに)・深紅・樺色・紅葉色・唐紅(からくれない)・東雲・掻練(かいねり)・紅絹色(もみいろ)・今様色・桜鼠・撫子(なでしこ)・桃染・紅鬱金(べにうこん)。如何?
【KEY BOOK】「王朝のかさね色辞典」(吉岡幸雄著/紫紅社、3780円)
この本にも驚いた。すでに、実際の「襲」(かさね)の色目の実物を見たときに溜息が出るほどだったのだが、一冊になったものを見てまた揺さぶられた。もともとは文化9年の『薄様色目』がヒントになっている。240種の「かさね」の色刷木版を示した古書だ。「よしおか」はこれを踏台に源氏やさまざまな有職故実書に当たって、疑問を解消し、工夫を重ねたのである。快挙だった。