サイトマップ RSS

絶望、孤独…死が漂う「自画像」 「没後30年 鴨居玲展 踊り候え」 (3/5ページ)

2015.6.8 14:25

鴨居玲「1982年_私」(1982年、油彩・カンバス、181.6×259.0cm、石川県立美術館、提供写真)

鴨居玲「1982年_私」(1982年、油彩・カンバス、181.6×259.0cm、石川県立美術館、提供写真)【拡大】

  • 鴨居玲「自画像(絶筆)」(1985年、油彩・カンバス、53.0×45.5cm、個人蔵、提供写真)
  • 鴨居玲「踊り候え」(1975年、油彩・カンバス、116×89cm、個人像、提供写真)
  • 鴨居玲「教会」(1976年、油彩・カンバス、162×130.7cm、(公財)ひろしま美術館、提供写真)
  • 鴨居玲「蠢く」(1963年、油彩・ジェッソ・カンバス、100×100cm、提供写真)

 絶筆 表情に安らぎ

 随筆集「踊り候え」(1989年、風来舎)の中で、鴨居は、「人間の心における暗い面、弱い面といったところに興味をひかれる」と述べる。自作については「かたちを借りるだけで、私の中でつくりあげた人間なんですよ。つまり私の自画像のようなものです」と明かしている。

 人間に興味があり、ほとんど人物画しか描かなかった鴨居だが、建物を描いた作品「教会」が残されている。窓もない教会は宙に浮き、地上に十字形の影が伸びる。ひときわ高く天に突きだした鐘楼らしい部分には、気づかないほど小さな十字架が立っている。

 「踊り候え」で、鴨居はこう振り返る。「『神』を持っている人は楽だし、幸福ですが、持っていない人間はというと、自分しか頼るものはない。そこから『神』とは存在するのだろうかという問いかけが生まれてくる。フランスではさがしたけれど、いなかったという答えがかえってきただけです」

「だんだんほろびていく自分を描き続けたい」

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。

ページ先頭へ