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戦争が生みだす混沌をエネルギーに 浦井健治、ソニン、岡本健一 舞台「トロイラスとクレシダ」 (3/5ページ)

2015.7.6 18:00

「現実的で退廃的、未来がどちらなのかと進む、現代の日本をさしているような舞台」と意気込む浦井健治さん=2015年6月17日、東京都世田谷区(長尾みなみ撮影)

「現実的で退廃的、未来がどちらなのかと進む、現代の日本をさしているような舞台」と意気込む浦井健治さん=2015年6月17日、東京都世田谷区(長尾みなみ撮影)【拡大】

  • 「現代人と昔の人をつなぐ間に私たちがいる。シェークスピアの美しい言葉を届けたい」と話すソニンさん=2015年6月17日、東京都世田谷区(長尾みなみ撮影)

 「歴史上の争いは土地や金にまつわるものが多い。『ひもとけばその裏に女があった』と突出して描かれている印象。ギリシャ神話で英雄とされるアガメムノンなどが、だいぶ違う見え方をしている」と浦井。岡本は「極めて人間っぽく描かれている。他が取り上げないような部分を描くから問題劇といわれるのではないか」と分析する。

 戦争で出会った男女は極限の状況下でひかれ合い、強いエネルギーを出す。背景をソニンは「いまは娯楽が多いけれど、当時は戦争か、男か女しかない。生命力は一度向かった方向へしか行かなくなる」とみる。浦井は「トロイラスは当初なぜ戦うのか悩んでいた。クレシダへの純愛に希望や癒やし、生きる意味を見いだそうとした。それを奪われて狂い、戦いにとりつかれて相手に立ち向かう。そこには『国のために』という感覚も生まれる。その振り幅も含めて、純粋にまっすぐ演じたい」と話す。

 「約束や誓いを破られたショックと嫉妬は、戦争の原動力になる」と岡本。ダイアミディーズを作品の「情欲担当」とみる。「敵国の女性にひかれて、振り向いてくれた時点でエネルギーが必要になる。その様子は羨(うらや)ましい、滑稽、悲しいなど見る人の五感を刺激する」

音楽の力、舞台に

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