優勝した米国の表彰を見つめる「なでしこジャパン」の選手たち。脳裏に悔しさを焼き付け、リオ五輪での雪辱への思いを新たにした=2015年7月5日、カナダ・ブリティッシュコロンビア州バンクーバー(共同)【拡大】
だが、2点を返した精神力は立派だった。前半27分に、エース大儀見(おおぎみ)が1点を返し、後半も宮間の正確なFKと澤の絶妙なポジショニングが相手のオウンゴールを誘い、2点差に追い上げた。その直後の失点で反撃ムードがしぼんだが、2連覇が懸かる重圧の中でつかんだ準優勝の価値は決して色あせるものではない。
試合後、佐々木監督は「スタートでしてやられたが、それは選手が感じないといけない。それも含めて力の差」と完敗を認めた。岩清水や海堀、岩渕ら多くの選手の目からは悔し涙があふれたが、日本はここで立ち止まっていてはいけない。来年のリオ五輪で世界一の座を奪い返すため、積み上げてきたものを進化させなければならない。
岩渕「シュートすら打てず」
2-5と劣勢の後半15分から、5試合連続で途中出場した岩渕は「点差が開いた状況だったのでとにかく点を取りたかった。でもシュートすら打てず、何も生まれなかった。悔しさしか残っていない。もっともっと、なでしこを知ってもらうためにも、『次の大会』では頑張る」と前を向いた。