【KEY BOOK】「モーターサイクル・ダイアリーズ」(エルネスト・チェ・ゲバラ著、棚橋加奈江訳/角川文庫、637円)
23歳のゲバラが1951年から翌年にかけ、アルゼンチン、チリ、ペルー、コロンビア、ベネズエラを7カ月かけてバイク旅行をした日記だ。ペルーでハンセン病療養所を見て、医学部を卒業することを決意した。バイク旅行記だが、冗漫がない。その眼は行く先々の社会の細部に突き刺さっている。その注意力はいまも斬新だ。
【KEY BOOK】「エルネスト・チェ・ゲバラ伝(上下)」(パコ・イグナシオ・タイボII著、後藤政子訳/海風書房・現代書館、5076円)
未公開資料を駆使したゲバラ伝の決定版。大著だが、ゲバラの一挙手一投足がその場の状況、人物、ゲリラ戦術の当否、微妙な喜怒哀楽とともに如実に伝わってくる。革命家の実像は後世にならないとわからないものだったのだが、ゲバラはその既存像を破った。いつもそこで葉巻を咥えてマテ茶を飲んでいる革命家なのだ。