子供たちへの思い込めて
アネット・メサジェの「つんねの家のスペクトル」は、つんね(山の上)の家で、実際に生活をしていた女性の“気配”を、彼女が使っただろうハサミや針、包丁など利器の縫いぐるみを天井からつるすことで表現している。
残された仏壇には、位牌(いはい)の代わりに、中心部に紅を塗った白いマスクが置かれていて、見る者をドキッとさせる。メサジェは「(仏壇と)もっとも対照的なものを置いた」と話す。彼女一流の毒を含んだユーモアかもしれない。
廃校を利用した鉢&田島征三「絵本と木の実の美術館」には、流木をカラフルに色づけしてつくられたオブジェがあふれている。楽しかった学校生活を再現するように、田島は2009年の芸術祭からオブジェをつくってきていて、今回は「オバケ」と「ヤギ」が加わった。ヤギは実際に、3頭が飼われている。
田んぼの真ん中を通る道の両脇に、2メートルほどの高さの竹が何本も立てられ、それぞれの先に、口を開けた緑のカエルの像が付けられている。集落への道には、いくつものコンクリート製の足形が並べられ、その出口では木製のカエルの像が出迎える。