英経済紙、フィナンシャル・タイムズ(FT)買収を報じる日本経済の1面=2015年7月24日(AP)【拡大】
FTの規模は紙媒体が約22万5000部、電子版の有料購読者が約50万4000人で、特別大きなものではない。しかし、飛行機の国際線のファーストクラスやビジネスクラスにはかならずFTと、同じくピアソン傘下の経済誌、エコノミストが置いてあるように、経済を実際にコントロールしている階層の必読紙といえる。しかも、購読者は英国内よりも国外のほうが多く、経済政策立案の参考資料としてグローバルな影響力を持っている。
また、欧米、特に欧州の一流紙の発行部数は、日本の全国紙の1割以下のものがほとんどだが、その影響力が違う。かつて筆者は、戦前の日本共産党で委員長を務め、戦後は実業家となった、田中清玄氏の紹介で、1974年に、ノーベル経済学賞を受賞し、現在のEU(欧州連合)を発議し推進したフリードリヒ・ハイエク氏の来日時のお世話をした。そのハイエク氏によれば、欧州の政財界人は新聞を「自分たちが社会を動かすための手段にすぎない」と考えているが、「FTだけは例外で、参考になる記事が多くある」と参考にしていたという。